2000/4
No.68
1. 圧電研究室の新たな出発 2. I-INCE総会とINTER-NOISE 99に参加して 3. ISO/TC43/SC2 フロリダ会議報告

4. フロリダ旅日記

5. AuralizationセミナーとInter-Noise 99に参加して

6. 第7回ピエゾサロンの紹介 7. PODS(ポータブルオイル診断システム)(リオン型式KR-60)
       <会議報告> INTER-NOISE 99会議報告
 ISO/TC 43/SC2 フロリダ会議報告

建築音響研究室 吉 村 純 一

 昨年12月6日〜8日に米フロリダ州Fort LauderdaleでInter-Noise 99が開催され、小林理研からは山田、落合、大島と私の計4人が参加した。今回も旅慣れた山田常務理事をお供に、何の不安もなく会場および宿泊先となるMarina Marriott Hotel に着くことができた。しかし、出発前に済んでなければならない発表の準備はさっぱりで、発表前夜に自室で山田常務理事のチェックを受けるまで、持ち込んだパソコンを駆使したaural paperづくりにおおわらわで、他の人の発表もろくに聞くことができなかった。そんなわけで発表の出来はご想像の通りとなってしまったが、今回の国際会議への参加には、さらに気の重いお仕事がくっついていた。

 Inter-Noise 99終了後の翌9日にISO/TC 43/SC2のWG 22、さらに10日にWG 18が開催される予定となっていた。97年のSC2浜松会議そして99年のプラハ会議と国際会議の雰囲気には多少慣れたつもりだったが、やはり少人数での審議への参加は、言葉の不自由な私にとってはこの上ない苦痛である。Inter-Noiseの会期中にすでに数人の顔見知りと挨拶を交わしていても、ホテルの売店で一人会議資料をコピーするうちに、弥が上にも緊張で声が1オクターブ上がってしまった様な気がした。とは言え、WG 22(Measurement of impact sound improvement on light-weight floors)は橘主査のお手伝いをすればよいので適当にうなずいていればと思ったのだが、日本からの提出資料の説明をすることになり、しどろもどろのめろめろになってしまった。審議の方は、状況によってはキャンセルもやむなしと臨んだ会議であったが、事前の打合せが功を奏し、なんとなく今後の方向が定まったのではということになり、スシバーでおいしい酒(主査のおごり)をいただくことができた。

 翌日のWG 18(Measurements of sound insulation in buildings and of building elements)はメンバーである橘先生がお帰りになり、私一人での参加となってしまった。重要なアイテムが少ないのとフランスが冷めている(雑談で状況がなんとなく)ためか、出席者が少ない(5人)ことを理由に会議はキャンセルとなった。しかし、通常の会議と同様に議事次第に従って、Roll call of expertsから始まり議事が進められた。少し慣れたのとドイツの3人は顔見知りなこともあり、ここでは気楽にブロークンでブチカマシた。

 前回(プラハ)の議事報告、9月にロンドンであったCEN/TC126/WG1, ISO/TC 43/SC2/WG18の報告(Goydke前主査に送ってもらった議事録で概ね了解していた)があり、Sound insulation - Survey method、にフランスが苦言を呈していること、Noise from installations - Engineering methodが5ヶ月enquiryに基づいて進んでいること、Revision of ISO 354 - Reverberation room methodが反対が多く特にアメリカと調整がとれない(もうすぐDISがでる)こと、Pompoli氏によるラウンドロビンテストの結果が思わしくなく、スタッド間隔やボードの留め方などの影響などが検討されていること、Goydke氏がWG 18の主査から退きSchmitz氏に代わることなどが報告された。

 次に事前の配布資料ISO 140-14 "Sound insulation measurements in unusual rooms and situations"、ISO 140-18 "Laboratory measurements of sound insulation against rainfall noise"及びWI "Evaluation of the total loss factor in connection with sound insulation measurements"についての報告があった。total loss factorの測定結果については持参のパソコンに幾つかのデータがあるので説明できる、と言ってみたが、紙になっていないとだめだとのことであった。しかし、Meier氏が非常に興味を示して会議の後説明してくれということになり、余計なことを言ったと後悔しつつ、次回のニューポートビーチでの日程を決めて会議は終了した。

 3人を前にミニプレゼンテーションということになったが、専門用語を並べるだけでもなかなかうまく言葉が出なくて大汗を掻くこととなり、真冬のフロリダは何と暑いことか。ともあれ、是非詳細を送ってくれということで、メールでデータを送ることになった。

 午後はGerman delegationとSaw grass Millsの大ショッピングセンターに買い物に出かけたが、おもちゃばかりを買いあさる私は、何も買わない彼らに不思議がられてしまった。ホテルに戻ってから再び集合し、夕食を共にした。次は払ってもらうからと大盤振る舞いをしたが、行き帰りのバスの中や食事の際に、普段聞けない情報や知人の近況などを聞くことが出来、非常に収穫は大きいものがあったとほくそ笑んでいる。

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