1989/4
No.24
 1. ニュース発刊7年目を迎えて  2. 平成元年を迎えて 3. 航空機の音 (昭和初期―昭和43年)  4. 耳栓 (Earplug) -耳塞ぎ餅の話し-  5, チタン酸鉛系超音波材料の開発と超音波トランスデューサー
 6. 建築物の遮音性能測定機能をもった騒音計 NA-29
   
 ニュース発刊7年目を迎えて


理事長 五 十 嵐 寿 一

 昭和58年6月に小林理研ニュースを創刊してから、早いもので6年が経過いたしました。3ヶ月に一度の季刊として発行いたしておりますが、執筆者と内容を決めて原稿を依頼し、それを編集して印刷、校正、出来上がったニュースの発送が終わると次の号のプランに取り掛かるといった具合で、担当者の苦労も大変であったと思われます。お陰様で内容についてご意見を伺ったところでは、多くの方々に読んで戴いていることを知って一同喜んでおります。ニュースの内容としては、研究所における新しい研究の成果と話題になっている海外の情報、騒音・建築音響の分野における研究や計測器の歴史(骨董品シリーズ)などとともに、兄弟会社であるリオンの新製品紹介等を掲載し、いままでほぼ同じパターンで経過いたしておりますが、いま暫くこの方針で続けてみたいと思っております。研究所も来年には創立50周年を迎えることになって、50年史の編集に取り掛かっておりますが、昭和15年から最初の15年は、終戦の苦難を乗り越えて基礎物理の研究、つぎの昭和30年から昭和45年頃までは残響室の建設に始まって建築音響を中心とした音響に主眼をおいた研究、ついで公害問題を対象とした騒音・振動の研究といった経過をたどっております。そのなかでこのニュースはごく最近の活動の記録となっております。現在研究所では公害と言われるような余計な騒音や振動を軽減する方策や、逆に音を使った研究として補聴器による難聴のお子さんの早期教育、相似モデルによる騒音予測、特殊な計測器の開発など幅広い研究を行っておりますが、新しく平成の時代を迎え、つぎの1O年、15年の活動の歴史がどのように発展してニュースに反映できるか、所内職員一同、皆様方のご援助ご支援を得て、研究開発に努力して行く所存でございますので、なにとぞよろしくお願い申しあげます。また、ニュースの内容につきましてもお気付きの点、掲載を希望される話題等がありましたらご遠慮なくご連絡いただければ幸いに存じます。