
作業環境における衝撃騒音の評価・計測方法について
衝撃的な騒音については、評価方法と関連して計測方法についていろいろ議論のあるところである。
ここでは作業環境における衝撃騒音の評価・計測方法に関するH. E. von Gierke(USA) D. W. Robinson(UK)を中心とした研究会(workshop)の結論を紹介する。
Result of a workshop on impulse noise and auditory hazard.
Jour. Sound & Vib. 83(4) 1982 p579-584
この研究会は11ヶ国から24人の専門家が出席して英国のSouthampton大学で行なわれた。
現時点における見解としてまとめられたものは次の通りである。
a) 騒音暴露に対する聴力障害の予測については、統計的に得られているPTSにもとづくべきである。
b) ISO/DIS 1999-1982にあるように非衝撃音については、A特性の騒音暴露量(等価騒音レベル)が、現在長期間の騒音予測としては最良のものである。
c) 10〜20000Hzの範囲の音については、A特性で評価することが妥当であり、そのためにはSPLが145dB以下であること、これは衝撃音についても適用出来ること。
d) 現在評価について衝撃音を非衝撃音と区別すべき十分な証拠がないので、衝撃の程度とその生理的影響については、今後の研究をまつ必要がある。衝撃音が連続音より有害であるということに対する予防として、差当り連続音より5dB低いレベル(従来の衝撃音に対する5dB補正)を適用しておくことが望ましい。
e) SPLが145dB以上の衝撃音については、軍事における例によってさらに調査が必要である。実際の工場等においては、145dB以下を考慮しておくことで十分である。
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