2017/4
No.136
1. 巻頭言 2. 第5回米国音響学会 日本音響学会合同会議報告 3. 三角点・三角測量・トランシット 4. 地震警報記録装置 SM-47
 

       <会議報告>
  第5回米国音響学会 日本音響学会合同会議報告


補聴器研究室/騒音振動研究室  平 尾 善 裕

  米国音響学会と日本音響学会の第5回合同会議(5th Joint Meeting of the Acoustical Society of America and Acoustical Society of Japan)は、昨年の11月28日から12月2日までの5日間、米国ハワイ州ホノルルにて開催されました。日米合同会議は、第1回が1978年、以降1988年、1996年および2006年といずれもハワイ州の州都ホノルルで開催されたそうです。どうやら、およそ40年前にホノルルにて米国音響学会の定例会議が開催される際に、日本音響学会との共催が提案されたようで、ホノルルで米国会議が開催されるたびに合同会議になるようです。事実、今回も第172回の米国会議として位置付けられています。ちなみに次回、米国東海岸のマサチューセッツ州ボストンでの開催となる6月の第173回定例会議は、第3回米国音響学会・欧州音響学会合同会議(3rd joint meeting of the Acoustical Society of America and the European Acoustics Association、第1回は1999年)でもあるようです。日米の合同会議の方が米・欧州の合同会議より先に実現されていたとは、少々驚きでもあります。

 全講演件数は、プログラムからざっと数えて2,200件を超えていたようです。定例の米国会議では、1,000件前後のようですから、倍以上の件数であったことがわかります。まだ、公式に講演件数と参加登録人数の発表はありませんが、前回の2006年が1,618件の講演で1,952人の参加であったことを考えると、史上最多となるのは確実でしょう。5日間の開催にもかかわらず、初日に2時間の基調講演があったのみで、13の講演会場と1つのポスター会場が、ほぼびっしりと埋まったプログラムになっていました。口頭発表と並行して600件を超えるポスター発表がありましたが、それでもこなせないらしく、通常は招待講演1件につき30分のところ、20分に限定された上、セッションごとのパネルディスカッションも設定されませんでした。同年秋に国際音響学会(ICA)会議が南米アルゼンチンで開催予定であったため、参加者が減ることを恐れてか、14の分野で80を超えるスペシャルセッション(SS)が設定されたのも一因ではないかと想像します。ある分野では、開催2年前からSSの準備をしていたと聞きました。私が関わったSSでも2015年の暮れから動きだし、講演申込み開始(6月6日)の3か月前(春の定例会議の1か月前)には、招待講演者とタイトル(仮)を通知しなければいけませんでした。日本からは同年の秋季研究発表会(富山大学)の参加者よりも多い参加があったと聞いています。

 さて、私は11月28日の午前中にホノルル入りし、12月1日に座長と講演、12月2日の昼の便でホノルルを離れる行程となったため、5日間の会議のうち、3日強の参加となってしまいました。私が関わったSS(4aSA. Building Vibration Analysis, Measurement, and Mitigation)では、日本側から6件、米側から3件の招待講演と2件の寄稿講演の11件の講演があり、4日目の8時から12時まで、ぎっしりと議論が続きました。若干のトラブル(米側の座長が来ない)はありましたが、無事に役目を果たせたものと考えております。ご協力頂いた皆様には、この場を借りて心より感謝申し上げます。 


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