音響科学博物館

Museum for the Science of Sound

 

発生・放射・発信具

 音は情報を伝達する手段として太古から様々に利用されてきました。警報具や拡声具、鼓笛など、より広く、より遠くへ合図を送るための工夫がなされました。1600年代中頃に音速の測定に砲声を使ったとの記録があります。その後、実験用具としての発音器が考案され研究者たちに大いに利用されました。科学の発達は有線や無線の技術を使い、音情報を瞬時にして世界中に伝達することを可能にしました。

 

ハルトマンのパラボラ付き噴気発音器

 

 気流によって超音波を発生させる実験用音源。ノズルから噴射される高速気流を円筒形の共鳴器の口に衝突させることによって超音波を発生させる。

 金属製のパラボラ反射鏡の焦点の位置に噴気口ノズルが固定されていて、その延長上に円柱状の金属棒がセットされている。金属棒の先端には直径3mm、深さ3mmの穴が穿ってあり、これが共鳴器の役割をしている。

ダブルサイレン

 

 上下に一対の発音体を組み合わせたサイレン。安定した大出力が得られるので、広い室内や屋外の実験用音源として使われた。

 サイレンの原理は、同心円上に等間隔で小孔を開けた2枚の円盤を重ねておき、円盤の1枚を回転させながら空気を送ると、2枚の円盤の小孔が合ったときだけ孔から空気が噴出し、この断続的な空気流によって音が発生する。

 

ふいご型緊急用信号器

 ふいごを使った足踏み式の非常用音響信号器。鉱山やそれに類する作業現場で災害が発生した時や緊急用の合図に使われた。

 本体の板の部分には、プラスティック製の救命信号表が取り付けられていて、メッセージを単純化した音の信号で危険が迫っていることや、その他の災害または突発事故を報せるようになっている。

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