音響科学博物館

Museum for the Science of Sound

 

楽器・音具

 楽器は音楽という独自の文化の中で発達してきました。音楽については紀元前900年頃にすでに記述があり、紀元前550年頃にピタゴラスが弦と音の高さの解明を試み、音律法を編み出しています。蓄音機は往時の娯楽用具として最もなじみの深いもののひとつですが、民芸品にも音を発するものが意外と多いように思われます。生活に密着した道具や玩具、民芸品などのなかで音を発して使われる器具類はみな音具の仲間です。

 

蝋管式蓄音機

 

 量産型の蝋管式蓄音機。携帯に便利なように木製の頑丈なケースに納められている。一般家庭への普及をはかったモデルで、エジソンスタンダードフォノグラフと呼ばれた。

 1877年にエジソンが円筒式錫箔蓄音機を発明したが、その後グラハムベルの研究所で錫箔の欠点を改良したワックスドラムを使った蓄音機が考案された。1880年中頃以降は蝋管式蓄音機が主流になっていった。

オルガニート

 

 卓上型の手回しオルガン。箱の手前についているハンドルを回すと内部のふいごが作動し、革袋に空気が送り込まれてリードを鳴らす。 ハンドルに同期して緩やかに回転するバレルのピンが金属のバルブをはじき、リードに送られる空気をコントロールして音を奏でる。

 内部中央には、表面に無数の短いピンが打ち込まれた交換式のバレルと呼ばれる木製の円筒が取り付けられていて、これがソフトの役割を果たしている。

アンクルン

 インドネシアなどで広く使われている竹製振動打楽器。

  全長の半分ほどを斜めに削り取った竹筒を1オクターブずつ高さの違う2〜3本を組にして竹枠に吊るし、揺すって音を出す。竹筒の下端に残された突起が下枠の竹管に設けられた溝の中を往復して、澄んだ音を響かせる仕組みになっている。

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