音響科学博物館

Museum for the Science of Sound

 

記録・録音具

 音は時間軸の中で様々なパフォーマンスを展開し、時の流れに消え去ってしまいます。こんなはかない存在の音ですが、言葉や音楽がそうであるように聴いた人の心に大きな痕跡を残します。写真や絵画のように聞こえた音を固定したい、という要望に応えてオルゴールのような自動演奏楽器が考案され、やがては録音再生技術の発展が促されました。録音や再生の道具たちに音響研究の足跡を見ることができます。

 

ワイヤーレコーダ

 

 記録媒体に約0.1mmのステンレスワイヤを使用した磁気録音再生機。ワイヤは右側の小さなリールからヘッドを経て録音され、左側の大きなワイヤ巻き取り専用ドラムで巻き取られる仕組みになっている。

 真空管や電磁リレーなどの熱は相当なものらしく、モータの軸にアルミ製の冷却ファンが取り付けられ、キャビネットの底面と側面には、いたるところに通風用の大きな窓が開けられている。


据置型テープレコーダ

 

 記録媒体に磁気酸化鉄をコーティングしたプラスティックテープを使用した録音再生機。

  計測仕様のテープレコーダで、コンサートホールの残響時間や伝送特性の測定に活躍した。

 録音・再生ヘッドとテープを駆動する機械的な部分と真空管式電気回路部分との二つから構成されている。

リオノコーダ(レコード盤用録音機)

 記録媒体にポリカーボネイトの円盤を使用したレコード盤型録音再生機。 ピックアップやマイクロフォン、スピーカなどがクリスタル型からマグネチック型に移行しつつある1960年代に発表された。

 回転する円盤の表面にクリスタルピックアップと特殊なカッター針を使って音の波形を刻む。 録音されたレコード盤は通常のレコード盤と同様に取り扱うことができる。

 家庭で音声メッセージを吹き込んだレコード盤が作れ、また作成したレコード盤は付属のジャケットに切手(当時10円)を貼ってそのまま郵送することができた。

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