2003/1
No.79
1. 謹んで新年のお慶びを申し上げます 2. 表面インテンシティ計測を応用した押し当て式機器異常音検出センサ 3. 青銅噴水震盆 4. Low Frequency 2002 in York 5. FORUM ACOUSTICAUM SEVILLA 2002

6. WAVE 2002

7. 第11回国際エレクトレットシンポジウム 8. 新型騒音計NL-22/32
 
 謹んで新年のお慶びを申し上げます

平成15年元旦 理事長 山 下 充 康

 新年早々に愚痴を言うことになりますが、新千年紀の幕があがれば社会に新風が吹き込んで暗雲立ち込める世紀末の混沌から抜け出すことができるものと期待しておりましたが、相変わらずの薄気味悪い世情に気持ちが落ち着かない昨今です。東京近郊を流れる河川に姿を現した一頭のアザラシが人気を呼んでトップニュースとして騒がれるのも暗い世情に飽いた大衆の鬱々とした気持ちが反映された出来事の一つであったものかもしれません。

 小林理学研究所が創立60年の還暦を迎えてから早くも3年が過ぎました。小林理学研究所は理学と工学の民間研究機関として希に見る長い歴史を持ち、その歴史の中で培われた幾多の研究成果は社会へ大きく貢献してきたものと考えます。私どもは生活環境要素の中で音に注目して、騒音、振動や聴覚に係る研究に関して常に指導的な役割を果たしてまいりました。

 わが国における騒音問題の第一号は路面電車への苦情であったと聞いております。東京で路面電車が営業を開始したのは明治36年(西暦1903年)であったとのこと。ちょうど100年前の出来事です。新橋と品川間に敷設された路面電車はその後東京全域に線路網を広げて「都電」の名で都民に親しまれることになりますが、広くはない生活道路の上を鉄道が走り回るのですから騒音の苦情が寄せられるのも無理のないことで、今日では体験できないような極めて騒々しい音環境であったものと想像されます。

 100年前の音環境と言えば、このニュースのNo27(1990年1月)の紙面で紹介させていただいたエジソンの蓄音機が製造されたのは1903年でした。小林理研東館二階の音響科学博物館でレトロな音を聞かせています。ワックスドラム式蓄音機[Edison Standard Phonograph]は今年100歳を迎えました。

 音響研究は未だ多くの解決すべき課題を残しています。小林理学研究所の歴史が培った貴重な財産を大いに活用して好ましい音環境の保全に取り組む所存でございます。諸兄のご指導ご鞭撻を宜しく御願い申し上げます。 究所が創立60年の還暦を迎えてから早くも3年が過ぎました。小林理学研究所は理学と工学の民間研究機関として希に見る長い歴史を持ち、その歴史の中で培われた幾多の研究成果は社会へ大きく貢献してきたものと考えます。私どもは生活環境要素の中で音に注目して、騒音、振動や聴覚に係る研究に関して常に指導的な役割を果たしてまいりました。

 わが国における騒音問題の第一号は路面電車への苦情であったと聞いております。東京で路面電車が営業を開始したのは明治36年(西暦1903年)であったとのこと。ちょうど100年前の出来事です。新橋と品川間に敷設された路面電車はその後東京全域に線路網を広げて「都電」の名で都民に親しまれることになりますが、広くはない生活道路の上を鉄道が走り回るのですから騒音の苦情が寄せられるのも無理のないことで、今日では体験できないような極めて騒々しい音環境であったものと想像されます。

 100年前の音環境と言えば、このニュースのNo27(1990年1月)の紙面で紹介させていただいたエジソンの蓄音機が製造されたのは1903年でした。小林理研東館二階の音響科学博物館でレトロな音を聞かせています。ワックスドラム式蓄音機[Edison Standard Phonograph]は今年100歳を迎えました。

 音響研究は未だ多くの解決すべき課題を残しています。小林理学研究所の歴史が培った貴重な財産を大いに活用して好ましい音環境の保全に取り組む所存でございます。諸兄のご指導ご鞭撻を宜しく御願い申し上げます。

-先頭に戻る-