2015/1
No.127
1. 巻頭言 2. inter-noise 2014 3. 顕 微 鏡 4. 4チャンネルデータレコーダ DA-21
   

 
  謹んで新春のお慶びを申し上げます  平成27 年(西暦2015 年)元旦


理 事 長  山 下 充 康

 太平洋戦争の時代(皇紀2600 年、西暦1940 年、昭和15 年)に設立された財団法人 小林理学研究所が法の改正 に準じて一般財団法人 小林理学研究所と改称(2013 年4月1日)し、様々な制約の中で従来にも増して活発に研究活動を続けているところであります。

 昨年は60 名に近い犠牲者を出した御嶽山の噴火や、広島での土石流被害など数々の不幸な事故に見舞われましたが、その中にあって日本人科学者の青色発光ダイオード発明に対してノーベル物理学賞が授与されるという明るいニュースがもたらされました。ノーベル物理学賞といえば日本国が戦後の混乱期にあった時期、京都大学の理論物理学者「湯川秀樹」博士が中間子の発見で受賞しています(昭和24 年、西暦1949 年)。
「あの焼跡だらけの敗戦国の日本国民がノーベル物理学賞を受賞した」当時にあっては眩しいほどの明るいニュースでした。

 今回の青色発光ダイオードといい、近年では山中教授がiPS 細胞でノーベル生理学・医学賞を受賞し(2012 年)、 明るいニュースを提供したところでしたが、受賞対象が実際の生活の場に応用されて内容が理解しやすいものと なったことは大いに喜ばしいことでありますまいか。正直に申して湯川博士の発見による中間子となると、専門分野でこそ価値の高いものとはいえ、残念ながら実生活では理解しにくい存在で、世間は受賞内容より受賞の事実を 喜んでいたようでした。その点、今回のノーベル物理学賞は青色発光ダイオードの発明に授与されたもので、その応用例は毎日のように交通信号機などで眼にする、我々にとって身近なものであることが評価の高い所以でありましょう。

 2014 年の日本国は先に申したとおり、多くの災害に見舞われた反面、明るい話題もありました。今年、2015 年はどのような出来事に遭遇するのか楽しみでもあり、不安でもあります。昨年は東京オリンピック開催から50 年でもありました。1964年の東京オリンピックを契機に日本国が世界の先進国の仲間入りを達成し得たことは大いに喜ばしいことであったと感じます。そして、前回から56 年を経た2020 年には東京で再びオリンピックが開催されます。今や超過密都市の東京で開催される世界の祭典を如何に成功させるか、日本国の底力が試されることでしょ う。世界中の人々が注目していることを忘れてはなりません。次の東京オリンピックが新たな発展の契機となるよう、まずは2015 年を好ましい年としたいものです。

 年頭に当たり一般財団法人 小林理学研究所が「風格と活力を感じさせる研究所」として益々の発展を祈念させていただきます。今後とも諸兄のご指導、ご鞭撻を宜しくお願い申し上げます。

 

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