音響科学博物館

Museum for the Science of Sound

 

計測・分析具

 研究者たちは音の姿や音の性質を解明するために様々な道具を考案しました。日常的に耳で感じ取っている音、それが身近な存在であるが故にその物理的な本質の把握には多くの困難が伴いました。音の強弱や音の高低を物理的に説明するための研究に使われた実験道具たち、エレクトロニクスの登場以前に試みられた計測と分析の工夫、これらに科学者の心意気が感じられます。

 

バルクハウゼンのオージオメータ式騒音計


 聞き取り方式の主観的測定方法による騒音レベル測定器。受話器から放射される音と対象とする音を聞き比べながら、アッテネータを調整して騒音レベルを探る。機能的には聴力試験器であるオージオメーターと同じもの。


 持ち運んで測定できるように肩掛けベルトが付いているが、重量は7s強と重い。


レイリー盤と石英の糸

 

 音の強さの絶対測定に使用された音響計測器。

  石英の糸または白金線で薄い雲母板をつるしたもので、これに音波を横から斜めに入射させたときの回転角から音の強さを測る。検流計に吊し、円盤を音波の伝搬方向に対してあらかじめ45°傾け、音波が到来した時のねじれ角を観測して音の強さを比較した。

 マイクロホンの相互校正法が開発されるまで、音の強さを測定する標準計器として使われた。

ケーニッヒの共鳴器

 ヘルムホルツの共鳴器の原理を利用してつくられた聞き取り式の周波数分析器。

 中央にある突起に耳を押し当て、音を聞きながら二重構造になっている内側の筒を伸び縮みさせて最も大きく聞こえるときの目盛りを読んでその音の周波数を調べる。

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