2.鉄道騒音

○音響インテンシティによる音源同定と騒音予測
 走行中の 列車においては車輪やパンタグラフなど種の個所から騒音が発生します。当研究所では、地上に設置した複数のマイクロホンで走行中の列車から放射される音の強さ(音響インテンシティ)を計測し、各音源の音の放射パワーをリアルタイムに表示する手法を開発しました(東海旅客鉄道株式会社、リオン株式会社と共同で特許取得済み)。


(列車近傍での音響インテンシティの計測)
 


(音源位置に対応した音響インテンシティのコンターマップ)

  音響インテンシティの測定結果を用いて、音源ごとの騒音レベルの時間変動パターンを算出します。下図の計算例からも明らかなように総合音に対する各音源の寄与度が分かり、騒音対策の優先順位を容易に決定することができます。

(総合音ならびに音源別の騒音レベルの時間変動パターン)
 

○境界要素法や縮尺模型実験による騒音伝搬の解明
 騒音の伝搬において反射や遮蔽など計算による取り扱いが困難な現象が介在する場合は、境界要素法や縮尺模型実験の手法を用いて騒音伝搬の実態を解明します。特に、レール/車輪音は線状に連なった音源列からの騒音であり、2次元境界要素法で取り扱う円筒波と同様の伝搬特性を示します。


(2次元境界要素法による騒音レベルの推定、高架橋・逆L防音壁)

 
 3次元の縮尺模型実験では、精巧な模型の製作、実物に対応した音源や音響材料の使用などによって実物と模型との間の相似則を満たすことができれば、実物と同様の騒音伝搬を模型上に再現することができます。

(鉄道と道路のダブルデッキ構造での模型実験(縮尺1/40))

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