5.振動計測
 
○表面インテンシティ法による構造物からの放射音の可視化
 表面インテンシティ法は構造物から放射される音のインテンシティを計測する手段として用いられており、その分布によって振動面近傍での放射音場を可視化することができる。同手法では、構造物の振動速度と放射された音波の構造物近傍での粒子速度が等しいと仮定して、構造物の振動速度と近接音場の音圧から表面音響インテンシティを算出する。一般に、構造物の振動速度は振動面に設置された加速度ピックアップによって、音圧は振動面から独立して固定されたマイクロホンによって計測されるが、2つのセンサーを個々に設置する必要があり、計測の作業効率が低下する。また、多点での計測では、センサーの移動に煩雑な作業が強いられる。そこで、計測の利便性向上とアレイ方式でのインテンシティ計測の実現のために、構造物に設置するだけで振動面の振動速度と近接音場の音圧が同時に計測できる一体型センサープローブを用いて、加振位置が時々刻々に移動する振動体のインテンシティ計測に適用し、振動面近傍での放射音場の可視化を試みた。
 
 


(加速度ピックアップとマイクロホンを一体化したセンサープローブ)

 

(アレイ方式による計測系列)
 
 

 


(音圧とインテンシティの時間変化、左:インテンシティ、右:音圧、青線は加振点の移動軌跡)

 ○振動レベル計の設置共振に関する研究
 柔らかい地表面において地盤振動を計測する場合に、振動レベル計の振動ピックアップと地表面の間に生じる設置共振現象が、測定誤差の要因となります。そこで、振動ピックアップを簡単に設置できる1本杭の設置台を製作し、その効果を実験および実測調査によって明らかにしました。

(設置台の概略図)



(上:鉛直の振動伝達特性、下:水平方方向向の振動伝達特性)
 
 
 


(道路交通振動の実測調査結果)


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