1.道路交通騒音

○数値シミュレーションによる道路交通騒音の予測

 下図は道路交通騒音における2次元境界要素法を用いた数値予測の一例です。境界要素法とは、任意の境界内の音場を、境界表面上の音場についての積分方程式であらわし、これを離散化して数値計算する方法です。境界表面について解く手法であるため、2次元音場を求めるならば1次元問題を解くこととなり、計算に必要なデータを少なくできるという利点があります。また、音場を変数とした計算手法ですので、複雑な境界条件についての計算が可能です。


左 盛土道路に防音壁を設置した場合についてのシミュレーション結果
右 高架道路が建設された場合についてのシミュレーション結果

プログラム提供
 
京都大学工学研究科社会基盤工学専攻
田村 正行 教授



  地形や家屋などを再現した模型実験による各種対策効果の予測・確認

 模型実験を行うことで複雑な地形や建物が密集する市街地への騒音伝搬性状を解明することができます。遮音壁の高さや設置区間などを実験により検討し、効果的な沿道地域の環境保全を実現するための設計に役立てます。

ジェットノイズ線音源を利用した縮尺模型実験の様子
高速道路トンネル坑口周辺、縮尺1/50


   当所では、縮尺模型実験用に独自に開発した音源を用いて模型実験を行っています。1台の自動車の動きに注目するような実験の場合には「点音源」を用いています。また、高速道路のように交通量の多い道路については、交通流を「線音源」に置き換えて実験を行っています。どちらの音源も圧縮空気を利用することによって安定した出力を得ることが出来ます。


ジェットノイズ音源

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