圧電ポリマー物性研究

4.D-E ヒステリシス測定・スイッチング測定(強誘電分極反転)

 

 強誘電体は電場ゼロで分極を保持し(残留分極)、さらに分極と逆向きに高電場を印加することにより分極が反転する(強誘電分極反転)性質を示す。DE ヒステリシス曲線は、大振幅の交番電界を印加して電気変位(単位電極面積当たりの電荷)を測定することで、このような強誘電体に特徴的な分極反転現象を観測することが出来る。交番電場の代わりにステップ状電場を印加すれば分極反転の時間発展であるスイッチング特性が得られる。 強誘電ポリマーのDE ヒステリシス曲線を図1に示す。縦軸は単位電極面積当たりの電荷である電気変位D (C/m2)、横軸は単位厚み当たりの電圧である電場E (V/m)である。このポリマーのDEヒステリシス曲線は電場ゼロ時に分極を保持し、逆向きの電場を印加することでD値の符号が反転し、分極反転が生じたことを示す。電場E = 0の時の電気変位Dは残留分極量Pr、電気変位D = 0の時の電場は抗電場Ecが求まる。


図1 DE ヒステリシス振幅依存性
 

本研究室では、このような分極反転測定を独自の測定システムで測定を行い様々な種類や寸法の試料に対応する。図2は測定画面である。


図2 DE ヒステリシス測定画面

 

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